外国語人名表記を和訳した際に使用すべき記号は「・」(中黒)か「=」(ダブルハイフン)か?

ガンダムキャラクター英字表記研究」の肩書きを自称するわたくしにとって、表題は非常に切実な問題であった。
かつては「=」(ダブルハイフン)を使用していたのだが、どうも新聞等の記述を見ていると一般的ではないということに気付き、「・」(中黒)に改めたという経緯がある。
わたくしがそもそも「=」を使用していた根源が、「スーパーロボット大戦」シリーズの人物のカナ表記が全て「=」だったからというのがその理由だが、
映像系のガンダム作品に限っていえば、全ての人物表記は「・」で統一されていることも判明している。
唯一の例外が松浦まさふみ氏の描くコミック版のガンダムシリーズ(「ムーンクライシス」等)で、
彼の作品のみがガンダムの世界で唯一「=」を用いた名称を使用していることもわかった。
そして世界的な表記の使用例を出版社の人間などにも確認を取ったのだが、この使用に関しての法則を見い出すことはできなかったのである。
その過程で発覚した事実の一つに、「Valéry René Marie Giscard d'Estaing(ヴァレリー・ジスカール=デスタン)」のように、
音の連続性を重視する場合には「=」を使用し、明確に区切られる場合は「・」を使うという事例が一つ。
また「Jean-François Millet(ジャン=フランソワ・ミレー)」のように、明らかに名称が「-」で区切られている場合の和訳にも「=」を使用していることが伺える。
ただ、これらには明確な指標や法則性は見つけられず、結局書き手の判断に任されていたのが実情である。
その答えがR25No141の18P「外国人の『性』と『名』の間に入る『・』と『=』はどう違う?」にて、ついに明かされたのだ。
結論からいうと、先ほど事例として挙げた二つで正しいが、平成3年に当時の内閣総理大臣海部首相から出された告示によると

・・・(中略)複合した語であることを示すための、つなぎの符号の用い方については、それぞれの分野の慣用に従うものとし、ここでは取決めを行わない。
【例】ケース・バイ・ケース マルコ=ポーロ etc・・・

ということのようである。
つまり、ガンダム業界においてはガンダム業界の慣例に従えということで、商業関係ならば使用頻度の高い「・」を使っておけば無難。
だからといって「=」も間違いでないという結論に。
英字表記研究の看板を掲げて、今始めてデカイ山が片付いた気がします。
「こんなにうれしいことはない・・・。」