機動戦士ガンダム00 第12話「教義の果てに」

まずは、国連大使の秘書官、リボンズはクレジットが古谷徹氏ではなく、「蒼月昇」だったという事実。
声質が古谷さんに近い声優か、それともサンライズ矢立肇富野由悠季井荻麟の関係なんだろうか?
いわゆる、古谷徹としてガンダムに参加するのは飽くまでアムロ・レイであって、キャラとしては参加しないという意志の表明をしているので、
脇役をサービスで演じるとしても、クレジットは使い分けるという手法なんだろうか。
その手法自体は一般的というか、古谷徹=アムロ・レイというブランドを大事にしたい、という思いが感じられる。
それは個人的な意志だけではなく、「ガンダム」という業界とジャンルとしてのブランドを保つという意味合い、すなわち全体的な意志としてそうしているとも考えられる。
このあたりの話は、恐らく今後どの雑誌でも詳しくは取り上げられることはないと思うので、個人的な興味レベルでの話。
で、放送とはちょっと外れる話をもう一つ。「機動戦士ガンダム00」関係では今ひとつ元気のない角川書店に代わって、講談社が攻勢をかけてきた模様。
機動戦士ガンダムSEED」のときもオフィシャルファイルシリーズは確かにあったのだが、その際は一切のTVCMを投入しなかったにも関わらず、今回は第1巻からCMを投入。
この事実から推測できるのは二点あって、一つは「機動戦士ガンダムSEED」はCMを投下するまでもなく売れたが、「機動戦士ガンダム00」はそれが見込めない。
もう一つは、「機動戦士ガンダム00」での出版物での主導権を握るために、先手を打って投下した。
前者から考えると、現在の「機動戦士ガンダム00」はTOY関係は「機動戦士ガンダムSEED」の頃と同等に評価できる売上の模様。
ただし、「機動戦士ガンダムSEED」の通年クールと異なり、2クールという半分の期間でのセールスとなるので、
ファーストグレードとハイグレードの期間をほとんど空けずに上位TOYが発売するという事体が発生している。
ハイグレードの売上は良好とのことだが、ハイグレードが売れたということは、初期に投下したファーストグレードは、ハイグレードが出た今となってはいらないコということになる。
今回のセールスの最大の難所は「通年クールものと比べて、セールスできる期間が極端に短い」という点にある。
つまり、この点から考えると講談社は打てる先手は全て打つべく、「機動戦士ガンダム」のときも「機動戦士Zガンダム」のときも、
それどころか「ガンダムオフィシャルズ」ですら(積極的には)行わなかった資料本のTVCM投下という手段を取ったとも読める。そしてその選択は恐らく正しい。
2クール放映終了後、第2シーズン再開までの半年間で、関連本が各社から出版されることは大いに予想されるが、
その休止期間にセールスを展開可能な資料とは、放送期間中に出版し、なおかつある程度認知された資料本シリーズが有利となることは目に見えている。
講談社ガンダム関係では広く浅い資料ととにかく深い資料との二極的な資料を展開する老舗だが、いずれにせよ鈍重というイメージがあった。
しかし、その老舗が先手を打ったということは、「機動戦士ガンダム00」関係の資料は、ちょっとおもしろいことになるのかもしれない。
前置きが二つも長くなったが、今回の個人的な見所は3つ。
グラハム・エーカーとシーリンとルイス&ルイスママン。
グラハムはコーラサワーがポジション的に動かしにくい現状もあって、彼の役割も兼務しているように見える。
主に、ガンダムにこだわり追い続ける執念・しつこさとコミカル・オチのような部分。
そして彼ら二人に課せられた、往年のガンダムを彷彿させるオマージュとしての存在。
やはり、グラハムのノーマルスーツを見ていると、どうしてもロンド・ベルアムロを想起してしまう。
いわゆる20代最後の凛々しいアムロを彷彿とさせながら、その彼の口から出る言葉が「敢えて言おう、グラハム・エーカーであると!(月光蝶である!)」。
胸を躍らせながら高揚していいのか、笑い転げればいいのか、毎回判断に迷ってSYOU-JIKI大変なことになるが、最終的には笑い転げる。
シーリンはいわゆるアザディスタン王国の政争を解説するガイド役なんだが、女王よりもキャラが立ってきた模様。
マリナ女王は、最終的にはリリーナのように覚醒する展開もあるだろうし、最後までダメダメな女王のまま、女王を退位して普通の女性に戻るという展開もありだろう。
ルイスママン陥落。ルイスと沙慈はギスギスした展開の中でのほっと一息つける場面を提供してくれるので、見ていて安心する。
だがみんな油断するな!以前のテロのように、世界のどこでどんな災難が起こるのかわからんのが今回のガンダムなので、突然ルイスに悲劇が及ぶ可能性に気をつけろ!
あの黒田洋介先生なら、というか、だからこそやりかねんから、いつもルイスが出るたびにビクッとする。