皇族と帝国陸海軍 浅見雅男 文春新書
- 作者: 浅見雅男
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/09/01
- メディア: 新書
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皇族が軍人となった場合、階級の進級において優遇されるケースが大半だったが、それは健常でいられた場合の話であって、体の弱い皇族も多く、早くして命を落とすケースも多々あったという。
本書で最も印象深かったのは、かつて皇族だったが、臣籍降下して皇族でなくなった小松輝久侯爵であろうか。
小松輝久伯爵は実力がなければ、皇族といえども進級が難しい海軍において、艦長として見事な軍艦の操舵を見せるなど、実力で第六艦隊司令長官となった人物である。
しかし、それが仇となり、戦後の戦勝国による裁判によって、皇族の関係者の中で唯一、戦犯として裁かれた人物でもある。
服役中も特に不遇な扱いを受けたとのことで、軍人生活の最後を飾るには、あまりにも不運な境遇になんとも物悲しい気持ちにさせられる。