キスカ 撤退の指揮官 将口泰浩 産経新聞出版

キスカ 撤退の指揮官

キスカ 撤退の指揮官

アメリカ軍によって包囲されたキスカ島に駐留する5000人以上の日本軍を撤収させる「奇跡の作戦」を成功に導いた司令官、木村昌福少将の生涯を描いた作品。
木村少将はキスカ撤退作戦を成功させたが、その事前の第一次撤退作戦が不成功に終わった際の「帰ろう。帰ればまた来られるからなあ」のセリフとともに記憶されることが多い。
慎重だが、若手をきちんと評価し、できる者には任せ、しかしその責任は自ら取るという理想的な上官であったことが述べられている。
艦長時代、司令官時代、そして戦後もその人柄が慕われていたことは変わらず、まさに上に立つ者とはこうあるべしというお手本のような人物であったと言える。
キスカ撤退作戦以外での木村少将の活躍や、軍人としての木村ではなく、一般人としての木村の生涯を本書を通して知ることができた。