アルスラーン戦記 第一章「エクバターナの栄華」

大国パルスの王太子であるアルスラーンは、豊かな国のもとで臣下に囲まれ何不自由なく生まれ育つ。
栄華をきわめるパルスではあったが、近隣諸国の同盟国を挟み、敵対するルシタニアをはじめとした国々との戦も絶えず、情勢は予断を許さない。
あるとき、市中の散策に出たアルスラーンは、捕虜となったルシタニアの少年兵の人質となってしまう。
捕虜の少年との会話を経て、外の世界のことを知るアルスターン王太子はこのとき11歳。
偉大なる父のもと繁栄するパルスにおいては、自分の即位など当分先のことと楽観視していたのであったが、パルスを揺るがす一大転換期が訪れようとしていた。