マリア様がみてる 今野緒雪 コバルト文庫

マリア様がみてる 1 (コバルト文庫)

マリア様がみてる 1 (コバルト文庫)

先日、id:Sharaku師匠と「祐巳ちゃんの妹は瞳子か可南子か」で激論を交わした際に、私が瞳子を推す理由を述べたところ「それは原作以外の創作物からのイメージが多量に混在している」との指摘を受け、純粋なマリみてである原作はどうであったかを再度読み返す必要を感じたのである。また、春からは最低限の私物しか持ち込めないとのことなので、出立前にもう一度全巻読み返しておくには今しかない。というわけで再読を決意する。
開いて数ページ。何やら非常に不思議な感覚に襲われる。これは、たとえるならば「クロノ・トリガー*1の「つよくてニューゲーム」でゲームを再開した瞬間に味わうあの感覚。クロノ・トリガーは時空間を移動することによって様々な問題を解決していく物語なのだけれども、一度クリアするとクリア直前のデータのまま、最初からプレイできるというシステムになっており、改めて最初からプレイすると、もう一度タイムスリップしてまだ問題が未解決の状態に戻ってきたかのような錯覚を覚えるのである。それと同様の現象がマリみての再読開始とともに訪れたのだ。初めて、まっさらな状態で読んだときは与えられた情報を整理することに必死で、気がつけば紅薔薇派へと足を踏み入れていたのだけれども、それぞれのキャラクター等を把握した状態で改めて読むと、この時点ではまだ三薔薇さまの性格付けもまだ手探りだったんだなぁと気付いた次第。(第1巻なのだから当然と言われれば当然なのだけれども。)アニメ版ではそのあたりが微調整されていたようで、特にそれは台詞回しにおいて出ていたと思う。祐巳ちゃんの独白(突っ込み)もけっこう厳しかったり。最大の収穫は、当時祥子さまフィーバーで全く目に入っていなかった志摩子さんの魅力的シーンをザクザク回収できたことだね。(*´Д`)