マリア様がみてる いばらの森 今野緒雪 コバルト文庫
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/04/27
- メディア: 文庫
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・・・あれ?でもこの巻で江利子さまの出番は・・・。
マリみて第1巻を再読した際の感想を「クロノ・トリガー」の「強くてニューゲーム」に例えたけれども、
何も予備知識のないまっさらな状態で、素直に読み進めた場合はヒロインの祐巳ちゃんのように心が右往左往し、
祐巳ちゃん以外のキャラに翻弄されていたけれども(そしてそれがある種の快感だったが)、
再読の場合、既にこれから起こる内容を知ってしまっているから、
何もわからない祐巳ちゃんを翻弄している気分になる(そしてこれまた快感だったりする)。
ただ、この現象は文面を素直に、ストレートに捉える人にしか起こらないのかもしれない。
洞察力の鋭い人は初読の時点で今後の展開を看破し、祐巳ちゃんを翻弄する気分を味わっているかもしれないからだ。
一度、ふゆは先生から「ミヅキさんは素直すぎる」との言葉をいただいたことがあり、どうも私は話を推理や推察しながら読むことが苦手らしい。
まぁ、だからこそ一粒で二度美味しい思いをできたわけではあるのだが。
話は変わって。「須加星」は「春日せい子」から「かこ→過去」を取って「須加星」。
つまり、須加星とは春日せい子が過去を乗り越えたということを暗示していたのだろうかと邪推してみた。
リリアン女学園の学園長、シスター上村。名前は上村佐織。
佐藤聖に対して語った「学園生活は勉強だけがすべてではないけれど、
一つのことにのめり込んで周りが見えなくなるのは寂しいことではないかしら。」との言葉は
自分自身の過去の経験を踏まえた上での言葉だったのか?
初めて読んだときよりも思うところが大きかったような気がする。
それも、未だセンチメンタルな感情を少々引きずっている現在の環境によるものか。
栞は可愛いと思う。アニメ版の影響も大きい。
アニメ版11話の聖と栞の口づけシーンがあまりにも自然で、何ら違和感を覚えない自分がいた。
あのシーンが「パン」したことを指摘されて初めてその事実に気付いたほど、自然に受け入れていたくらいだ。
もうこの頃から蟹名静は既に佐藤聖に想いを寄せていたのだったか?
「ロサ・カニーナ」はそのあたりに注意しながら再読しよう。