GUNDAM HISTORICA 機動戦士ガンダムヒストリカ 01〜03 講談社

機動戦士ガンダムSEEDのときに発行していた設定資料の販売方式がうまくいったのか、月2冊のペースで今度はファーストガンダムの設定本。
 1冊570円ほどの薄い本なのだけれど、これが中々侮れない。
 個人的には、毎回巻頭で特集される「一年戦争史」がよくできていると思う。
 第1回の冒頭では、いきなり開発が終わったばかりのRX-78-1タイプの機体が6機も描かれていて読者の目を引く。
 最近、この「RX-78-○」の○の部分が曲者になっていて、以前は○が1であれば「プロトタイプ・ガンダム」、
 2であれば一番有名なアムロ・レイの搭乗したいわゆる「ガンダム」、3であれば「G-3ガンダム」といった区分けだったのだけれど、
 最近はどうもRX-78-1というのは一番最初期に組みあがったガンダムタイプのMSのことを指すようで、
 要はサイド7にてテストと仕様変更を加えられるまでは全てRX-78-1タイプであり、同じ型の機体が8機くらいあったという説が強くなってきている。
 で、サイド7で仕様変更されずに大破したのがRX-78-1 プロトタイプ・ガンダムで、無事に仕様変更が済んだのがRX-78-2 ガンダム
 じゃあ、G-3はというと、サイド7で中破した機体をルナツーで改装し、
 マグネットコーティングの実験機と仕様変更したことでRX-78-3の型番を与えられたと。
 で、困ったことにこの説によると、アムロが乗っていたRX-78-2 ガンダムも、
 ア・バオア・クーの最終決戦前にマグネット・コーティング化しているので、RX-78-3 ガンダムということになるのである。
 もう実にややこしい。
 もっとややこしいことに、RX-78タイプのMSは、RX-78-4 ガンダム4号機(G04)、RX-78-5 ガンダム5号機(G05)、
 RX-78-6 ガンダム6号機(マドロック)、RX-78-7 ガンダム7号機(フレームのみの製作で終戦を迎え、実戦投入はされず)、
 RX-78-8 ガンダム8号機(設計段階で終戦を迎えた幻の機体)なんて機体も存在し、
 これらの素体になった型はRX-78-2なのだとする説もあるから、もうしっちゃかめっちゃか。
 このあたりは最近の資料でも行ったり来たりを繰り返しているので、しばらくの間は両論併記といった形が望ましいと思われる。
話が大幅に反れたが、この「ガンダムヒストリカ」シリーズはお値段の割にはけっこうガンダム世界を勉強するのに良い資料に出来ているので、
 ガンダムSEEDからファーストガンダムを知ったという新世代のガノタ、ガンダマーには最適な資料であろう。