機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第2巻 さまよう眸 後藤リウ 角川スニーカー文庫
機動戦士ガンダムSEED DESTINY (2) さまよう眸 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 後藤リウ,大貫健一,小笠原智史,As'MARIA,矢立肇,富野由悠季
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/06/30
- メディア: 文庫
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相変わらず気になる日本語を書く作者だが、様々なバックアップがあるおかげか、「機動戦士ガンダムSEED」のときと同様、アニメ本編よりも丁寧でわかりやすい描写になっている。
中でも、一番感心したのがハイネ・ヴェステンフルスの戦死理由。
本編ではフリーダムガンダムに攻撃をかけようとしたところ、後方から迫ってきたガイアガンダムの巻き添えを食らうという唖然とする戦死であったが、小説版ではそうではない。
オーブ連合首長国との戦闘に動揺し、戦闘中にもその動揺を完全に振り払えず、躊躇して隙ができたところをガイアガンダムに狙われ絶体絶命のアスラン・ザラを、
ハイネのグフイグナイテッドが身代わりとなる、というものであった。
ガイア、セイバー、グフ共にフリーダムによって武装を失っている状態であり、アスラン・ザラを救うには捨て身の体当たりしか方法がなかったという形だ。
これならばまだ納得いくが、それでもガンプラのハイネ隊等の商品展開を考えると、役目を果たしたハイネを殺さずにどこかへ転属という形で落ち着かせるべきだったであろう。
その他にも、本編ではたびたび勢力の視点が変わって、それぞれの心情が非常につかみにくくなっていたが、
小説版では各勢力の心の動きを描写しているので、なぜここでこのキャラクターはこんなことを言ったのだろうか、といった疑問が解消する。
基本的には本編の内容に忠実で、なおかつさらなる肉付けを行っているので、
本編脱落者あるいは本編を見ていないがストーリーだけは手っ取り早く知りたい、などという方にはお勧めである。
もちろん、より本編を楽しみたい方にもお勧めではあるが。