機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE 第4巻 久織ちまき 角川書店

この人、久織ちまきは本当にすごいと思った一冊だった。
本編では重要な部分でさえ、説明不足・描写不足が目立ったのだが、この人の描くアスラン・ザラの視点に関しては、その欠けた部分の全てを補っている。
例えば、第2巻のハイネ・ヴェステンフルス着任早々のアスランとのバーでのやり取りや、デストロイガンダムステラ・ルーシェが乗っていたことを、ミネルバのみんなは知らないなど、
本来は入れるべき重要な要素でありながら、本編では描かれなかった部分の描写がその代表。
本人は謙遜してこれが正解ではないと言っているが、これがアスランに関しては限りなく正解に近い模範解答だと思われる。
キャラクターだけでなく、メカもここまで描けるというだけでも貴重な描き手だというのに、解釈に関してもここまで完璧な仕事をしてくれるとは。
本編に限りなく近い公式外伝より、私は本作をむしろ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」を知る人たちに推奨すべきかと思う。