機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINYについて考える

EXAMシステム論改訂に備えてのメモ

HGUCブルーディスティニー2号機の発売を受けて、インストの設定部分の確認のために
機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」の設定を担当した千葉智宏氏がEXAMシステムにおける新解釈を提言している。
私が原作と当時の設定資料、小説(千葉智宏版、皆川ゆか版)、コミック(高山瑞穂)、その他「ギレンの野望」などの関連作品をもとにして
「EXAMとは?」というEXAMシステム論を発表したのは、2001年のことなので既に6年もの月日が経過していることになる。
これをたたき台にして、WEB上では新たな解釈であったり、理論が展開されていったわけなのだが、
設定した人間の一人が新解釈を打ち出したとあれば、そろそろ拙著も改訂の時期ともいえよう。
改訂のための土台としては、製品として発売されたHGUCのものを使用するのが妥当だが、現時点でも概要は発表されているのでまとめておく。

  • EXAMシステムは元来、ハードウェアであってソフトウェア単独のものではなかった。
  • しかし、近年のコンピュータに対する認識の変化から、「OS」というソフトウェアであったとする解釈をなんとか活かしたい。
  • 折衷案として、EXAMシステムのシステムそのものはハードウェアだが、機能させるために特殊なOSを用いている。
  • このため、EXAMシステムとは特殊なハードウェアであり、特殊なソフトウェアでもある。

以下推測になるが、

  • イフリート改の頭部が肥大化しているのは、イフリート改のEXAMシステムがハードウェア単独で機能させているためにデータ処理の効率が悪く肥大化。
  • 対して、ブルーディスティニー1号機〜3号機は、より効率的にデータを処理できる特殊なOSを搭載することにより、EXAMシステムを小型化することに成功した。

以上のようにまとめるとシンプルにまとまる。
余談だが、EXAMシステムを「OS」とする概念をWEB上に広めた間接的な原因に、拙著があると推測されるが、
拙著にてEXAMシステムを「OS」として取り上げたのは、「機動戦士ガンダムSEED」の影響ではない。
というのも、拙著が公開されたのは上記のように2001年のことであり、当時まだ「機動戦士ガンダムSEED」は放映されていない。
では、何の作品がEXAMシステムを「OS」として設定したのか?
(もちろん、これは自説を展開したわけではない。)
それは「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」が完結した1年後の1998年に発売された「機動戦士ガンダム ギレンの野望」(セガサターン)である。
この「ギレンの野望」内のブルーディスティニー関連のイベントの際に、
アルフ・カムラがEXAMシステムのことを「ニュータイプの動きを擬似的に表現するコンピュータOS」と紹介しているのである。
拙著は、これを元にそのほかの設定を総合的に取り扱った。
すなわち、EXAMシステムを最初に「OS」と表現したのは「ギレンの野望」の制作者の誰か。バンダイの中の誰かになるというわけである。