秒速5センチメートル

今月初旬に、仏像の人(id:daidozi)と見に行こうとしてたのだが、
仏像の人が「やよいかわいいよやよい」と「THE iDOLM@STER」にうつつを抜かして流れてしまったとかなんとか。
で、有給使って見に行ったら、どうも真後ろの席から聞いた声がするなと思ったら、MUちん(id:emptiness)だった罠。
えーと、これってなんてコント?
まずは全体としての感想をまとめておくと、常々、新海誠監督の作る作品は綺麗だなと。
監督自身のクレジットが作画や動画ではなく、美術に表れているのもそれを示唆していると思われる。
事細かな風景やモノの描写は、しっかりとしたロケを行ったんだろうなと思って見ていたが、パンフにはロケの様子も書かれていてさもありなんと。
鹿児島のロケそのものが、作品自身にも投影されているのは、それこそ新海誠カラーなんだなと感じた次第。
しかし個人的に気にしているのは、前作「雲のむこう、約束の場所」もそうであったが、いや捉え方によれば「ほしのこえ」も内包されるのだろうが、
新海誠作品の男の主人公は、どうしてこう報われないのだろうかと。
今作に限れば、第1話でアカリに会えたことが報われたと捉えることもできるというのだが、
どうにも、最終的に女のヒロインは自分を探し求めて自立できたり、いい人を見つけて結婚したりしているのに、
新海誠の男たちは、誰もが何かを遂げたあとには不完全燃焼に陥って、お世辞にも幸福とは呼べないような状況で幕が下りたりしている。
今回でいうならば、タカキがアカリの太鼓判のように、「何をしても大丈夫」と宇宙開発に希望を見い出したりするラストであれば、それはよくわかるラストなんだけれども。
そのあたりは監督との感性の違いなのか、それとも70年世代と80年代世代の違いなのか、よくわからない部分ではある。
ただ単に、私自身がハッピーエンドを強く望んでいるというだけなのかもしれないが。