魔法少女リリカルなのはStrikerS 第16話「その日、機動六課(前編)」

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スカリエッティ一味の襲撃日が9月12日に設定されているのは非常に際どいと思った。
さすがに9.11と同じ日付に、それこそその日を連想させるようなテロを描写してるのはどうかという判断なのだろうか。
しかし、それならばもっと全く関係ない日付にすべきと思うし、そこまで考えていないということであれば、思慮が足りないというべきと考えられる。
海外(特に欧米)での展開なんて一切考えてないからいいんだ、というのが反論であれば、それもまた器量の小さい視野だよなぁと思ってしまう。
いや、それすら配慮する余裕がないスケジュールだというのであれば、とにかくがんばってくれという他ない。
魔法少女リリカルなのはStrikerS」の位置付けは、それこそ見る人によってそれぞれだとは思うのだが、
たとえ第1期・第2期からスピンオフした作品だとしても、いやスピンオフした作品であればこそ、第1期と第2期で培ったものを無駄にしてはならないはず。
それだけは、いずれの作品のファンであろうと、あるいは作り手であろうと譲れないラインであってほしい。
さて、内容の方はというと全体像は見えつつあるが、しかしながら僅かにピースが足りないといったところか。
なのはとヴィータが、地上本部が襲撃される理由・背景を推測しており、それをスカリエッティ側のみに求めているが、
恐らくは外と内の理由と背景を同時に考えなければ成立しない襲撃計画であろう。
上記のように、スカリエッティ側に関する事項が僅かに足りないために、襲撃の理由と背景が管理局地上本部の保管するレリックの強奪、
ならびにF計画の残滓であるエリオ・モンディアルの拉致、ナンバーズのプロトタイプとも取れるTYPE-0の拉致が推定されるが、
これは必ずしも公開意見陳述会の日程に合わせる必要があるのか不明。
なのはとヴィータは推測において二つの思い違いをしており、それは兵器の威力証明をスカリエッティ側に置いたことであり、
また時空管理局地上本部の内因をクーデターの可能性のみに絞ってしまったことである。
兵器の威力証明を求めていたのはレジアス・ゲイズ中将その人、すなわち時空管理局地上本部側であり、兵器の威力証明のために仮想敵を呼び込んだと取れる。
これは兵器の威力に絶対の自信を持てば持つほど、大規模な襲撃かつ重要な日程に行うことがその証明を強固なものとすることになるからだ。
地上本部側の思惑はこれでよいとして、ではスカリエッティ側の背景に戻る。
彼らが公開意見陳述会に日程を合わせるメリットは何か。
重要な日程に、堅固な防衛システムを突破しての襲撃を行えば威力証明になるのは確かだが、
なのはとヴィータが否定したようにスカリエッティの本意ではない。
ナンバーズの一人、クアットロの「侵入する必要はない。ただ無力化すればよい」との言葉から推測するに、
彼らの目的は大規模な襲撃による混乱そのものがまず第一の目的であり、その後上記の目標を奪取することが最大の目的と推定される。
混乱によって目標の強奪を容易にする、これが恐らくはスカリエッティの意図の根幹であろう。
となると、彼が欲するものを改めて整理すると、これまで明らかになっているものとしては
人造生命の研究成果としてのフェイト・テスタロッサエリオ・モンディアルの2名、
ナンバーズ前身のTYPE-0としてのスバル・ナカジマ(恐らく、姉のギンガ・ナカジマを含む)、そして聖王の器としての存在であるヴィヴィオ
こうなると、スカリエッティの意図としては地上本部の内部に重要人物(なのは、フェイトといった隊長を含む)と地上本部外部への目的対象の隔離、
ならびに地上本部と機動六課本部の隔離という二重の意味での隔離を意図したものだったのではないかと推定できよう。
若干の材料不足のために断定はできない段階だが、現時点では可能性の高い推定と思われる。
また、この時空管理局地上本部の混乱が、レジアス・ゲイズの首を狙うゼストにとって都合がいいために協力関係にあるということも自ずと明らかになったところである。
ゼストにとってはレジアスを討てればそれでよし。が、スカリエッティが目標の奪取に成功したら、ではそのあとに何をするのか?
これもまた判断材料に乏しいので現時点では保留すべき事項か。
No.9ことノーヴェに関する能力や設定が伏せられたのは、ここへ来ては言うまでもなくスバル・ナカジマギンガ・ナカジマの出自を伏せるためだろう。
断定できないのは、元々のTYPE-0が彼女たちの母親であるのか、それとも姉妹なのかということ。
検診という名の定期的なメンテナンスを受けていることから、姉妹とも何らかのデバイス染みたものを体内に宿しているとも取れる。
しかし、彼女たちのリボルバーナックルが彼女たちの母から受け継いだものであること、ノーヴェがキャリバーのみならずリボルバーナックルを有していたことを考えると、
ギンガ、スバル、この際ノーヴェも含めて、彼女たちの素はナカジマ母ということになる可能性もまだ捨てきれない。