聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 三浦勇雄 イラスト:屡那 MF文庫J
- 作者: 三浦勇雄,屡那
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 文庫
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三浦氏は勢いでストーリーを怒涛のごとく進行させる、いわゆる「ハイテンション作家」だったけれど、
それが上等。シリーズの完了を経て、どのように進化を遂げたのかが最大の焦点となる。
結論から申し上げよう。
本作に限って言えば、いわゆる「上等。」なハイテンションストーリーではない。
敢えて表現するならば「静かなる蒼い炎のような情熱」を感じる作品といえよう。
これまでの上等。シリーズを動的なハイテンションとするならば、本作は静的なハイテンションと表現してもいい。
くすぶっているわけではなく、燃えさかっているわけでもなく、しかし確実に目の前にゆらめく炎。
この炎がどのような結末を迎えるかは、今後の展開に期待したいところである。出だしとしては上々。80点をつけていいだろう。
この80点は、いわゆる合格点以上は確実という意味合いであって、個人の趣味志向によっては±15点くらいの上下がありそうだ。
100点をつけるには、まだ序盤すぎてもったいない。
表現方法に関して触れておくと、以前は勢いに頼ったバイオレンスになりがちだったが、明らかに一皮向けた。
剣技というアクセントが加わった影響だろうか。
ファンタジーものは、同じレーベル内にもいくつか作品があるので心配だったが、この分だと、恐らくはいけると思う。
ただし、知名度の差は、今はいかんともしがたい。
とらのあなで、同日発売同レーベルのファンタジーものである「イコノクラスト!」が3列×2で平積みだったのに対して、1列平積み。
積まれていたことがせめても幸いなのかもしれない。
・・・ところで、タイトルの「ブラックスミス」とは何だろうか?今後の伏線?
イラストレーターの屡那氏にも触れておくと、ヒゲのキャラクターは珍しいなと思った。
また、本作の随所に見受けられるシルエットが、実に屡那チックな表現になっているのが特徴的。
顔部分を始めとした曲線が、なんというか「屡那ライン」を形成していて、見る人が見れば一目でわかるシルエットに。
そして本作はやたらおっぱいが絵も描写も強調されてるんだが、二人ともおっぱいが大好きなんだね!!(゚∀゚)