コードギアス 反逆のルルーシュ 第14-19話「ギアス対ギアス/喝采のマオ/囚われのナナリー/騎士/枢木スザクに命じる/神の島」

ルルーシュ以外のギアス所有者との対決。
人間ドラマ主体の構成のためか、メカ戦独特の高揚感のようなものはない。
しかし、序盤は人間ドラマ主体で牽引し、中ほどでメカ戦もできるところを見せたという流れなので、
人間ドラマをすることが間違いではないはずなのだ、いまいち乗り切れないのはなぜだろう。
オープニングのスザクの演出が、彼の瞳を中心として渦を巻くように、姫の前でのスザクと軍人としてのスザクに切り替わるのがおもしろい。
マオというキャラを出す理由がよく伝わってこないのが、今回の人間ドラマにピンと来ない背景になっているのかもしれない。
全開のルルーシュとシャーリーの人間ドラマが挿入されるのはよくわかるのだが。
よくわかるということは、それだけ数多く使用されて目にすることに慣れているとも言えるが。
マオの役割としては、ギアスを使いこなせなかった者の末路を示すというものが考えられるが、C.C.への執着が強すぎてテーマがぼやけているのかもしれない。
C.C.が絡むのはギアスの設定上、仕方ないとしても、C.C.にこだわらない、別の理由でギアス同士の戦いを挑むキャラがいれば、また違った印象になったとは感じる。
C.C.が目的ではなく、純粋にルルーシュを倒すことを目的に戦いを挑むマオ。
前回抱いた疑問は、これで解消されたわけだ。
この方が、非常にしっくりと来てわかりやすい。
マオに対抗するため、共同作戦を取るルルーシュとスザク。
ヒーローとアンチヒーローの共闘は、定番といえば定番だが燃えるものがある。
デスノート」の月とLの共闘もそんな感じ。
コーネリアとユーフェミアの政治と戦いから離れた日常の光景。
一般人であれば、これが当たり前の光景だったのだろうが・・・。
そしてスザクの原罪が明らかに。
スザクの正義感と他者の命への負い目は、まさにこの原罪ゆえに。
未だ統治者としての決意が固まらないユーフェミアと、決意が固まったはずのスザク、ルルーシュの揺らぎを描く話。
ゼロの脆さを表すのとは対照的に、先に決意を固めるスザクとユーフェミア
これでブリタニアと黒の騎士団の構図がより明確になった。
オープニングに新規カットと組み替えなどで若干の変更。手直しといった感じ。
手直しレベルとはいえ、第1クールと合わせて4種類くらい用意したということか。
黒の騎士団の拡大に伴い、大幅な組織改編。
抵抗を示す旧日本人の象徴的存在になる一方、スザクがユーフェミアの騎士となったことで、恭順の意志を示す旧日本人にも象徴が生まれたことに。
いよいよ大衆を二分するアンチヒーローとヒーローの誕生という展開まで話が大きくなってきた。
ゼロとユーフェミア、スザクとカレンという互いのパートナーを交換することにより、それぞれの考えの差異がより明確になる。
そして同時に、お互いの脆さも明らかとなる。
ミサイルから逃れるために、唯一の切り札であるギアスをスザクに使用してしまったルルーシュ
この一手が、今後のどのような伏線になるのか。
「生きろ」というギアスは、今回に限った話ではなくギアスの持続期間の間も有効と考えると、贖罪のために死地へ飛び込もうとするスザクにとっては、守りとなるだろう。
新型のガウェインはいかにもアンチヒーロー向けのデザイン。
ランスロットとはいかにも対照的。