コードギアス 反逆のルルーシュ 第20-25話「キュウシュウ戦役/学園祭宣言!/血染めのユフィ/せめて哀しみとともに/崩落のステージ/ゼロ」

揺らいでいたユーフェミアとスザクが、確たる信念を抱いた瞬間。
ゼロとスザクの共闘は、これまでにも描かれたが、ナイトメアに搭乗しての共闘ということで、今まで以上の熱さがある。
ルルーシュの搭乗者としての適正の低さはこれまでやきもきさせられたが、その分だけ新型のガウェインの性能の高さをより際立たせる役割がある。
ブリタニアの理想主義と反ブリタニアの理想主義の対立。
ユーフェミアの発想は結果的にゼロへの先手となって、黒の騎士団そのものの存在意義を危ういものへ。
ただ、ユーフェミアのやり方は手続き、段取りを踏んでいないので、極めて危うい手法とも言える。
トップに話を通すのは有効としても、そこからトップダウンが発生してから行動すればなお確実。
皇位継承権の放棄という覚悟を見せたユーフェミアに、ゼロは自身の敗北を認めるが、ギアスの暴走が最悪の方向へと進ませてしまう。
まさに「天国と地獄」を地で行く惨劇。
ハッピーエンドへの希望を見せたその瞬間に叩きつける手法とは、エグイ見せ方だ。
ユーフェミアというそれぞれの者たちへの緩衝がなくなったことで、コーネリア、スザク、ルルーシュ、それぞれが修羅の道を行くことに。
もはや退くに退けない状況に置かれたことで生じるカタストロフィを描こうとしているのか。
V.V.というC.C.と同族と取れる人間が出てきたことで、まだ話は動きそうな感じに。
新規OPはDVDパッケージと、各話から引っ張ったものに。
一つ間違えれば戦況が一気に傾く、薄氷のような危うい戦線で戦う両軍。
どちらが勝利するのか先が見えないスリリングな展開は、見る者を熱くさせる。
TV局などの施設は、ゲリラやテロリストに占拠されないよう、あるいは時間稼ぎができるように、かなり入り組んだつくりになっていると言われるが、
そもそもマスコミの人間であるディートハルトならば、その問題もクリアできるわけか。
クライマックスでゼロの正体が明かされるのは、王道的といえば王道的。
とはいえ、トウキョウの攻防戦もスザクとルルーシュの闘いも、どちらも決着は描かれず。
そういえば、ニーナの核爆弾もそのまま置き去りだった。
C.C.とジェレミアとの戦いは決着がついたようなので、C.C.が傷ついたルルーシュを回収したとか、そういう流れなのだろうか?
世界の歪み、という点については「機動戦士ガンダム00」とも通じる部分がある。
黒の騎士団とソレスタルビーイングという組織の理念やパワーバランスなどは違うが、「世界を変える」という役割としては同じような描かれ方をしたようにも見える。
それがポジティブ、ネガティブという陰陽の違いはあるけれども、それは主人公の成り立ち、
ヒーローとアンチヒーローの関係に由来しているということだろう。