StrikerS サウンドステージX(イクス)

魔法少女リリカルなのはStrikerS」よりスピンオフした、同作品の3年後を描いた作品。
文字通り、なのは、フェイト、はやてといった「魔法少女リリカルなのはStrikerS」の主役級が一人も登場せずに、彼女たちの教え子が中心となって活躍する内容。
思うに、本作は「魔法少女リリカルなのは」シリーズの今後を担う試金石なのだろうと。
とらいあんぐるハート」よりスピンオフした「魔法少女リリカルなのは」という位置づけから、「魔法少女リリカルなのは」シリーズそのものが独立した確固たる作品として確立され、
そこからさらにスピンオフしたのが「魔法少女リリカルなのはStrikerS」という形になる。
スピンオフとはいえ、これまでのシリーズのヒロインたちは継続していたので、続きものという側面が強かったわけである。
その上で、なのはシリーズの今後の展開を考えるにあたって、飽くまでなのはたち3人を中心とするのか、
それとも、新たに登場したキャラたちがそのポジションを受け継ぎ、新たななのはシリーズとしてスタートするのかを選択しなければならない。
それは「魔法少女リリカルなのはStrikerS」が展開上、キャラの多さに振り回され、まとめきれなかったことからも自明の理である。
こうした背景を踏まえて、なのはたちの展開としては原点である「魔法少女リリカルなのは」をスピンオフ作品としてではなく、原点としてリメイクする方向で新たな展開を探り、
同時に、「魔法少女リリカルなのはStrikerS」の新キャラは、なのはたち抜きでビジネスとして、エンターテイメエントとして成功するかどうかを見極める必要がある。
そのために、なのはたちの一切登場しないStrikersとしてのもう一つを展開し、その反応を見るというのが本ドラマCDに課せられた役割なのだと思う。
内容に関しては、ファンならば問題ない出来具合で、なのはたち抜きでも十分に展開しうるポテンシャルを示したように思う。
今後、制作サイドのマンパワー次第だと思うが、この二方向での展開を進める形で間違いはないと感じた次第。
相変わらず、シナリオの展開が見え見えなところはご愛敬といったところか。
あたりをつけたキャラが、予想通りそのまま本作のキーとなる人物だったのには噴いた。
しかし、Strilersの欠点としては、数多くのキャラの声を数人の声優が兼務したために、ドラマCDという音声媒体では情景を思い浮かべにくいといった点があるようだ。
これがアニメやコミックであれば問題とならないのだが、そのあたりを踏まえて今後のStrikersの展開をすべきと思われる。
余談だが、本作では「魔法少女リリカルなのはStrikerS」のクライマックスにて、禁じられたはずの質量兵器を、ヴァイス陸曹がぶっ放していたことへのフォローが入れられた。
管理局の許可があれば所有・使用が可能のようで、日本における「銃刀法」の扱いなんだろうかと聞いていて思った次第。