大人のガンダム完全版 日経エンタテインメント!編 日経BP社

大人のガンダム 完全版 (日経BPムック)

大人のガンダム 完全版 (日経BPムック)

購入してから1年近くが経過。内容も1年くらい前の情報になってしまったので、現状とは少々ズレているのもいたしかたない。
近年、ガンダム関連の売り上げは500億円前後で推移するようになった。
それは、新作がない頃のリリースをうまくやれたからだとはバンダイ社長の上野氏の言葉だが、
関連DVDを出しつくし、BDにDVDほどの牽引力を見いだせない今、ガンダムビジネスは大いなる転機、それも危機を迎えると捉えるべきだ。
もし、バンダイの人間が現状を楽観していたとすれば、それはガンダムビジネスの崩壊につながりかねない。
現に、バンダイグループでは、再編に向けた大きなうねりが起きている。
昨年、バンダイビジュアルTOBによってグループ本社であるバンダイナムコホールディングスの完全子会社になったことは記憶に新しい。
つまり、ガンダムが牽引しようにも、タイトルを放出しきった今、ガンダムそのものに単年の牽引力は尽きたというわけだ。
そして、ガンダム以外の有望なタイトルを創出できなかったということでもある。
現在は、そのキーとなるガンダムの新作がまさに放映されているそのときである。
では、新作さえ公開すれば、ガンダムという商品の持つ牽引力が上がるのか?
飽くまで、ガンダム作品は個としての作品と捉えるべきで、すべての商品を牽引する役回りと捉えるべきではないと考える。
となると、現在の新作が単品で成功をおさめたとしても、必ずしも全てが商売として成功に引っ張られるわけではないということだ。
これからのガンダムビジネスは、短期スパンでの計画のものと、長期スパンでの計画との2本立てが必要になるはずだ。
はたして、2008年のガンダム関連の売り上げは500億円に届くのか。まずはそこが試金石となるだろう。