俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第2巻 伏見つかさ イラスト:かんざきひろ 電撃文庫

圧倒的な大爆笑を提供してくれた傑作の続編がついに登場!
が、さすがに第2巻ともなると最初のインパクトほどの笑いは生まれないものだなぁと思って中盤、180ページくらいまで読んでいたのだが、
中盤から終盤にかけての読者を惹きつける瞬間的な爆発力は、今回も半端なかった。
読み終わるまでの心境を表現するなら、
あやせたんハァハァ→ヒィィィィィィィ!!→な、なんだってーっ!!Σ(゚ロ゚)→エンターテイメントしてるな!(*'ω'*)=3
といった具合になる。
初巻のインパクトが取り除かれてはっきりしたのは、本作が非常にきれいで整った起承転結な物語になっているということと、その中で盛り上がるべきところは全力全開で読者を引っ張る力を持っているということだ。
個人的な2008年のナンバー1ライトノベルであると思うし、少なくとも2008年を代表するライトノベルの1冊だと確信する。逆に、これを評価対象に入れないのはおかしい。
今回は「MOON PHASE」さんが作中に登場したわけだが、その件に関しては「アキバBlog」さんのインタビューを合わせて見た方がいい。
いわゆる、情報のフライングの功罪という観点から、このネタが取り上げられたわけだが、
この情報化社会においては、情報は必ず漏れるモノということを前提にシステムを考え直さなければならないと思う。
メディア側の、「情報は漏れないもの」という前提による、初回情報公開時のインパクトを見こんだシステムでは、どうしてもリスク管理において後手に回らざるを得ない。
出版元、印刷会社、流通、その関係者と、どの段階で情報が漏れても、初発情報のインパクトや、広告効果は失われるからだ。
むしろ、フライングされても、というかフライングされた方が、広告効果としては大きくなるシステムを構築していくべきだろう。
昨今の出版業界の苦戦も、そうしたシステムができていないことにも一因があるのでは?と思うところもある。
ともあれ、本作が続きものとしても大いに期待できるとわかったので、今後もバリバリ色々とやらかしていただきたい。