日本語練習帳 大野晋 岩波新書

日本語練習帳 (岩波新書)

日本語練習帳 (岩波新書)

仕事柄、関係している作品のシナリオを書くこともあるのだが、その際に問題になるのが言葉の表現。
そこで勧められたのがこの本。厳密な日本語を研究している先生が出された本で、非常に参考になるという。
巻末の言葉に

自分の思うところをaと表現したとき、相手がa'と取ったとしたら、それは相手がa'と取り得るように表現した自分が悪い。
相手が分からないと言ったら、分からない表現をした自分が悪い。
相手がaと取れるように、aとだけしか取れないような形式を選び出して表現することを心がけなくてはならない。
言葉は天然自然に通じるものではなくて、相手に分かってもらえるように努力して表現し、相手をよく理解できるようにと努力して読み、あるいは聞く。
そういう行為が言語なのだと私は考えています。

とあるのが、全てを表している。
わかっているようでわかっていない母国語を、一度見直すのにいい本。