機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) episode1 「ユニコーンの日」

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 1 [DVD]

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福井晴敏が描いた小説の第1巻と第2巻のラスト手前までを映像化した本作。
そのクオリティは、これまでのガンダム作品の中でも、トップクラスであることは間違いない。
ガンダムファンのみならず、アニメファンにも広くオススメできる内容になっていると言える。
ただし、全10巻の小説を各巻50分程度の尺で全6巻分に納めなければならないために、
小説を読んでいないと、各シーンの細かい背景は大胆に省略されているので、アニメから入る人は状況がつかめない可能性があるにはある。
そのため、現在進められているマルチメディアのうち、どれか一つでも事前に触れておくと、より深く理解できるであろう。
(もちろん、一番よいのは、既に完結した福井晴敏の書籍版を読むことは言うまでもないだろう。)
MS同士のアクションとしては、前半のスタークジェガンVSクシャトリヤがあり、スタークジェガンが空になった肩部ミサイルランチャーをパージしてサーベルで斬りこむシーンはたまらない。
また、劇場先行公開に合わせて発売になったHGUC スタークジェガンのインストに、このシーンに至るスタークジェガンパイロットの心境が描かれているのだが、
HGUCのインストに留めておくのがもったいないくらいの名文なので、ぜひチェックされたい。
インダストリアル7内におけるクシャトリヤリゼルの戦闘では、一般機リゼルの装備するビームライフルが、
Zガンダムのロングビームサーベルのように、撃ちだしたビームを固定化し、サーベルとしても使用可能な点などの細かい演出はチェックしたい。
また、クシャトリヤリゼルのサーベルを奪い、碧と赤の色違いのビームサーベルを二刀流にするシーンも、絵的な見せ方として非常に映える。
設定的には、クシャトリヤリゼルも、掌にあるビーム兵器へのエネルギー供給用ジェネレーターコンバーターが、アナハイム系列の共用パーツを使用しているからこそできる芸当ということが視覚的にわかって興奮する。
個人的に、映像化に含まれなくて残念だったのは、特殊部隊であるエコーズがクシャトリヤと生身で戦う際に、コロニーの遠心力を活用してネットガンでクシャトリヤのファンネルをたたき落とすシーンがなかったこと。
そして、カーディアスから息子であるバナージにユニコーンを託すシーンで「為すべきと思ったことを為せ」のセリフが入らなかったこと。
このセリフは、物語の後半でも意味を持ってくるので、ぜひ入れてほしいところだった。
とはいえ、これらの気になる点は些細な点と言える。
総じて非常に高いクオリティであることは間違いないので、見るのを迷っているならば、見て間違いない。