大東京トイボックス 第7巻 うめ 小沢高広 妹尾朝子 幻冬舎コミックス

大東京トイボックス (7) (バーズコミックス)

大東京トイボックス (7) (バーズコミックス)

ゲーム業界ならびにゲームクリエイターの群像劇を描いた傑作。
なんとかβ版の制作にこぎつけたG3だが、メインプログラマーの依田が倒れ、さらにはソリダスチェックにて不合格点の烙印を押されてしまう。
合格点までのクオリティアップを全員不眠不休体制で目指すが、プログラマーの手が足りない。
依田は病院のベッドの上で、即戦力となるある男のことを思い出していた。
現実のゲーム業界はさらに混沌とする状況になった。
携帯電話向けのアプリゲーム、いわゆるソーシャル系ゲームが台頭し、コンシューマゲームでは為し得ないコストパフォーマンスにて利益をあげるようになった。
これまでコンシューマにて活躍してきた歴戦の開発者でも、ソーシャルとは畑違いとも言える内容で、
この二つを同じ業界としてひとくくりにするのはいかがなものと感じるが、世間はそのようにみなさないようだ。
元いた会社がなくなり、そこにいた人が何人も去り、そして新たな道を歩まんとしている。
ゲーム業界にいた日々は、決して楽ではなかったが、これまで経験してきた仕事の中でもっとも充実していたと思う。
願わくは、ゲーム作りに情熱を傾ける人々の努力が実る日が現実のものとならんことを。