大東京トイボックス 第8巻 うめ 小沢高広 妹尾朝子 幻冬舎コミックス

大東京トイボックス (8) (バーズコミックス)

大東京トイボックス (8) (バーズコミックス)

ゲーム業界ならびにゲームクリエイターの群像劇を描いた傑作。
マンガ大賞2012にて、荒川弘の「銀の匙」に次ぐ堂々の第2位を受賞。
見事、ソリダスのチェックを突破した天川たち。
リリースに向けてのデバッグを進めるが、テミスからの妨害的なリテイクによって中々先に進まない。
その一方、ソリダスワークス内部では、アデナウアーが糸を引いたモバイル局、出版局連合によるクーデターが勃発する。
これを食い止めるには、アデナウアーの過去をさぐる仙水の帰還を待つしか手はない・・・。
5年前の2007年。当時のゲーム業界の隆盛はなんだったか、果たして覚えておられるだろうか?
当日はニンテンドーDSのバブルとでもいえる状況で、様々なメーカーがDSに参入していた時分であった。
そして5年経った今、DS市場はどうなっただろうか?
栄枯盛衰、諸行無常と我が国では言われるが、5年という短い期間でさえ時代は一気に変わってしまうのである。
ここ数年隆盛のソーシャルゲームだが、果たして5年後にはどうなっているだろうか?
ソーシャルゲーム市場のユーザーは、いわゆるコンシュマーのユーザーとは完全にはリンクしないライトユーザーである。
そのユーザー層は、よりエンターテイメント性の高いコンテンツが生まれれば、そちらに流れる。
5年後、ソーシャル以上のコンテンツは存在しないと明言できる人間は誰ひとりとしていない。
明智光秀の「三日天下」という言葉が浮かぶが、そうならぬためにソーシャルゲーム界隈は動き始めたのも確か。
混迷するゲーム市場の1年後は、既に全くちがった勢力図になっているのかもしれない。