聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)16 三浦勇雄 イラスト:屡那 MF文庫J

ヴァルバニルの再封印に成功した後も、人々の生活は続き、人類の歴史は紡がれていく。
ヴァルバニル封印後に発覚した新大陸の存在と、新大陸よりやってきた海賊団との戦いは、独立交易都市を含めた大陸側の急務の対策となった。
一方で、アリアを救うために新たな聖剣を打つことになったリサは、知り合いが一人また一人と寿命を抱えてこの世を去っていく中、黙々とただひたすらに聖剣を打ち続ける。
気の遠くなるような300年の時を経て、ついに念願だった聖剣アリアを救い出したその日、リサが目にした光景とは・・・!
番外編と銘打ちながら、まさかの本編の後日談となるガチエピローグ!
番外編1、2についてはヴァルバニル封印後からまもない世界の状況と、セシリーとルークたちの様子が描かれるものの、番外編は300年にも渡る本作を総括することとなるエピローグにあたる。
番外編1と2はサクサクと読み進めたものの、これで最後となるとなんとも言えない気持ちになってしまって、なかなか最後の章を読めないでいた。
意を決して、気分を盛り上げるためのアルコールと、これぞエピローグのBGM!と呼べるお気に入りの音楽を流しながら、読み進めて、ページをめくるごとに、胸に、熱くこみあげてくるものが・・・。
前作シリーズといい、三浦勇雄先生はとにかく熱い物語を書く作家だが、ここまで胸を熱くさせる後日談、エピローグを描く作品も早々出会えない。
実は、前巻で完結と言われても、なんとなく心残りというかもう少し語ってほしいと思うところもあったのだが、それを本作ですべて形にしてくれたように思う。
本シリーズを読み続けて、良かった。その一言に尽きる。