ぽぇM。 「Rainy▼White CHRISTMAS」 小山たまき


「ぽぇM。」(眠杜文庫。)
さんのマリみて同人誌文庫本第1弾。
 「ぽぇM。」さんからは全部で6冊のマリみて本が出ているのだが、オフィシャルサイトでの記述を見ると、
 最新刊が第5弾として紹介されており、首をひねっていたところ、
 本作の増改訂版、「Rainy▼White CHRISTMAS ver.INTEGRAL」を含めて6作品ということのようだ。
 本作は増改訂版で言うところの前編にあたるということらしい。
 発行されたのが2001年の冬、ということで
 当時のマリみては「チェリーブロッサム」まで発行されていたことを念頭において読まなければならない。
 タイトルもそうだが、内容も微妙に原作の「レイニーブルー」とだぶってみえるのだが、
 これが「レイニーブルー」の影響なのか、それともそうではないのかがちょっとわからないのでその点の判断は難しい。
 単行本としての「レイニーブルー」は発行されていないが、もし当時の連載で「レイニーブルー」が掲載されていたのならば、
 そこから影響を受けたということもありうるが。
 が、本作は前編とは言え原作の「レイニーブルー」とは異なり、
 ラストで祥子さまと祐巳ちゃんの仲直りまで描ききっているので、その点は原作とは異なる。
 と、原作との比較めいたことをするのは本義ではない。
 この作品の肝は、紅薔薇派悶絶必至の祥子さまと祐巳ちゃんのらぶらぶシーンにある。
 以下、本文からの引用になるが

「私は・・・・・・・・・・・・、私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
私は祐巳が好き・・・。
他の誰よりも・・・・・・、比べようもないくらい・・・・・・、(後略)。」

なんてことをあの祥子さまが涙ながらに祐巳ちゃんに告げるのだ。
 原作「パラソルをさして」のラストシーンに負けていない。
 私はここに断言しよう。
 紅薔薇派にとって「眠杜文庫。」さんのマリみて本はバイブルである。必読書である。
 もう居ても立ってもいられない萌えを与えてくれる作品である。
 さぁ、貴方が紅薔薇派ならばいますぐ最新刊だけでも読むのだ!