機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINYについて考える

原題:ア・バオア・クー攻防戦における地球連邦軍第11独立機械化混成部隊

機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」に登場する主人公、ユウ・カジマの所属部隊名は第11独立機械化混成部隊(別称にして蔑称:モルモット隊)という。その第11独立機械化混成部隊がEXAMに関わる事件後、どのような経緯をたどったかについては、ゲーム本編のエンディングにおいて大雑把に語られている。ソロモン攻略作戦(チェンバロ作戦)参加後、ア・バオア・クー攻略作戦に参加し、全員帰還したとのこと。しかし、両作戦において彼らがどの宙域で、どのような戦いを繰り広げていたのかについては依然として不明・・・であった。ところが、「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙編」の発売ならびに「機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに」のコミック化によって、その一部が明らかとなったのだった。ソロモン攻略戦においては相変わらず参考となる資料がないが、この2つの作品によって、判明した事実が二つ。一つに、ユウ・カジマの所属艦隊は「ルザル艦隊」。(なお、搭乗機体は胸部装甲を蒼く塗装したRGM-79GS ジム・コマンドであるとされる。)二つに、フィリップ・ヒューズはジョニー・ライデンと交戦。この二つの事実が意味するところはこうだ。ユウ・カジマはアムロ・レイらととともにSフィールドにおいてジオン公国軍と交戦。フィリップ・ヒューズはNフィールドにおいてジオン公国軍のエースパイロット部隊と交戦していたことになる。すなわち、ア・バオア・クー攻防戦において第11独立機械化混成部隊のパイロットたちは、全く正反対の宙域で戦っていたことになる。これを受けて二つの可能性が考えられる。一つに、レビル艦隊の消失を受けて大打撃を受けた第1連合艦隊は、有能なMSパイロットをも多数損失。その穴埋めとして、MS撃墜数50以上を誇るユウ・カジマが緊急の措置として編入されたというものだ。ひょっとすると、「踊る黒い死神」との二つ名を持つリド・ウォルフもここルザル艦隊にいたのかもしれない。そうなると、連邦のエースパイロットはSフィールドに展開し、ジオンのエースパイロットの大半はNフィールドにいたことになる。彼ら同士の戦いを見てみたかった気もするが、ここでは置いておくことにしよう。二つに、もとから第1連合艦隊に所属していた第11独立機械化混成部隊であったが、熟練したMSパイロット不足に悩む連邦軍。特に激戦が予想される先発隊の宙域、Nフィールドには一人でも多くのベテランMSパイロットが欲しい。そこで第1連合艦隊へ打診するものの、第1連合艦隊もレビル艦隊の消失を受けて、そう易々とエースを手放せない。そこで、エースとまではいかないものの卓抜とした熟練パイロットであるフィリップ・ヒューズに白羽の矢が立ったという可能性。
そんなことを考えていたら、これだけで一つの作品が作れそうな気がしてきた。