機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム 第3巻 飯田馬之介 角川書店

前々から言っていることだけれども、「機動戦士ガンダム」シリーズ(特に宇宙世紀もの)が好きな人は、ぜひ本作を読むべき。
帯に煽られているとおり、1週間戦争時の圧倒的な強さを誇るジオン公国軍に対して、絶望的な戦いを挑む連邦軍の姿が描かれている。
文字通り命を賭けて戦い、打開策を探る連邦軍をよく表した今回の名言。

「誰に強制されたわけでもない。お前も、自分で軍人という生き方を選んだのだろうが!!サトが楽しんでキムを犠牲にする決断を下したと思っているのかッ!?サトが泣いて謝ればキムが生き返るのかッ!?指揮官としての訓練も受けていないサトがその場で必死で下した…重い決断。お前に責められても言い訳もせず責任を背負っていく覚悟…。指揮官とて特別な人間ではない。自分の下した決断の重さに打ちひしがれ夜中に悪夢で飛び起きるのだ…。それは責任と決断の本当の意味だ…。これは軍人だけが直面する問題ではない。生きる…ということはその連続だ。」
(より多くの人が生き残るために、サトが一人の部下、キムを見殺しにしたと責める部下に対して)

そしてまだ民間人と同等の士官候補生「機動戦士ガンダム第08MS小隊」の主人公シロー・アマダ一等兵として着任。
彼はこのサイド2で何を目撃し、何ゆえにジオンを憎むようになるのか。
それが本作にありありと描かれている点も見逃せない。
さらにはサイド2の異常事態を察知してルナツーを発進するティアンム中将率いる連邦艦隊。
月軌道にて、連邦艦隊とジオン艦隊の本格的な戦いが幕を開ける。
いつも言ってることだが、ガンダムを知ってる人で本作を読まない人はかなり、相当損している。間違いない。