アニメ版AIR 第12話(最終話)「そら-air-」

後半、ところどころ挿入された晴子の望んだ観鈴との日々は、原作の描写を具現化したものだったと思うが、一つ一つ丁寧な仕事だった。挿入歌としての「青空」も予定調和とはいえ、作品そのものの出来、原作はもちろんアニメとしての出来具合が良かっただけに、その予定調和が嫌味に感じることもなく。
ラストの子供二人の解釈が、原作をプレイした自分としてもいつも悩む。ある程度こうなんだろうな、というものがあるにはあっても、色々と解釈する幅があるのも事実。そして自分の解釈がこうだったらいいなという希望を含んでいることも事実。自分としてはそらが空で観鈴を見つけて、生まれ変わった二人があの子供、という解釈でとりあえず一つ。
アニメ版AIRで、不満点に入れるまでもないほどなんだが、それでも敢えて不満を一つあげるとすれば、OPとEDの尺のせいで主題歌が中途半端な長さに編集されてしまったことか。第1話のOPと最終話のEDだけでも、本来の尺でできたらなぁと思うのだが、そうすると今度はただでさえ猛スピードで進んだ本編がさらに苦しくなる罠。けれど、本編としては全12話でムダなぜいにくの一切をそぎ落とし、必要な筋肉を全て残したという手法は素晴らしかった。これ、2話〜11話のOPとEDを削って12話分つなげれば、これだけでAIRという物語を知るには十分な作品として作られたと思う。良かった。すごく良かった。