ぽぇM。(眠杜文庫。) 「プーの一族」 第4巻 森とおばけと迷子の仔猫。 小山たまき

ぽぇM。さんの「プーの一族」シリーズ第4巻。今回はいつもとちょっと毛色の違うお話。
売り出し中の新人ロックバンドのメンバーを「強奪」したこともあり、ほとぼりを冷ますべく温泉へ向かう「プー荘」住民一同。
が、真依はバイトのことが気がかりでそれどころではない。
挙句の果てには能天気な管理人、みゆきと口論になってしまい一人飛び出してしまう。
飛び出した真依を追ってきたモモと共に、樹海へと迷い込んでしまった真依は、そこで二人の奇妙な少女と出会うが・・・。
ぽぇM。さんところのマリみて作品は一級品だと思うが、
最近は発行間隔が空いたためか、あるいは他のオリジナルものが軌道に乗ってきたせいか、意外と未読の方がいらっしゃって驚いた。
しかし、割と新しくマリみてにはまった方ならば仕方ない面があることも事実。
私自身、第4弾の「Rose House RESISTANCE」から読み出した口なので、決して早い方ではないのだが、時期が良かったのか未読分が再販されたためにその全ての作品を読むことができた。
特筆すべきは、マリみて第1弾の作品「RAINY▼WHITE CHRISTMA」が「チェリーブロッサム」まで刊行時点にも関わらず、
その後の「レイニーブルー」「パラソルをさして」を予期していたかのような、オーバーラップさせる作品となっていることが一点。
そして先に挙げた「Rose House RESISTANCE」は「ぼくらの七日間戦争」のマリみてバージョンだと考えていただければわかりやすいが、
突如取り壊しが決まった薔薇の館を守るべく、山百合会そしてリリアンOGが一丸となって理事会、大人たちと戦う物語である。
その中心となる小笠原祥子と、先代の白薔薇さま佐藤聖に対して、大人たちが担ぎ上げたのは先代紅薔薇さま水野蓉子、先代黄薔薇さま鳥居江利子だった。
祥子を始めとした山百合会は絶体絶命。この危機をいかに乗り越えるのか・・・。
という燃える展開。読めばはまること間違いなし。
現在は入手困難な作品だが、ぜひマリみてファンならば一読していただきたい作品の筆頭でもある。
(もう少し詳しいあらすじは以前、こちらに書いたことがある)