雲のむこう、約束の場所 原作:新海誠 著:加納新太 エンターブレイン

雲のむこう、約束の場所

雲のむこう、約束の場所

ほしのこえ」のときもそうだったのだが、本編では描かれなかったその後が、小説化された際に加えられることがある。
ほしのこえ」のときはそれが見たいが故に小説を読んだものだが、本作は必ずしもそうではない。
ただ、やはり同様の手法で冒頭が描かれていたので、それを思い出したのだが、それは自身の望むラストにはならないことを予告していた。
本編を映像で見たあとには、ヒロキもタクヤもサユリも、新たな生活を始めるのだろうと思っていた。
それは間違いではなかった。
だが、彼らは自分を取り戻すために行動していたのだとすれば、それは確かにこの小説のような終わり方になるのかもしれない。
納得はするが、満足はできない。