涼宮ハルヒの憂鬱 谷川流 角川スニーカー文庫

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

アニメ版のおかげで、原作のキョンのモノローグが完璧に杉田智和氏になっている。
が、杉田智和氏の声で聞いていると気付くのだが、アニメ版のモノローグは所々杉田氏のアドリブが入っており、これがまた絶妙なのだと。
最初に、特に印象深かったのは席替えのシーンで、「さらばハルヒ！フォーエバ〜♪」はてっきり原作によるものだと思っていたら、これがアドリブだとは。
後の「射手座の日」においても、原作にない「落ちろ蚊トンボ！」のセリフを放っておられるが、これは事情を知らなければ脚本を担当した賀東招二氏が加えたと誤解しても仕方ないところだ。
（賀東氏本人曰く「あれは杉田氏のアドリブであり、あの人は本当にアドリブがうまい。」）
この一冊で完結しているがゆえに、これだけあればことが足りてしまうのだが、原作をさらに読み進めると完結しているにも関わらず、まだ伏線を残していたのかと感嘆すること然り。
そりゃ、これは大賞を取るわと。