機動戦士ガンダム00 第16話「トリニティ」

端的に、総集編+αな内容なのだが、始めから終わりまで全て使いまわしというわけではなく、
これまでのおさらい部分は既存カット、次回以降への橋渡し部分は新規カットという手法は好感。
とはいえ、前半は前回からの続きで新規カットのみなので、総集編だったのも後半の一部ということにはなるが。
非常に良心的な総集編としてのつくりだと思う。
機動戦士ガンダム00」は「政治」がキーワードとなるガンダムなのだが、それを正しく表現するイディオムを、自分は持っていないのだと感じる出来事あり。
「政治」をメインにしているわけではなく、とっかかりとなる要素の中の一つという意味でのキーワードというべきか。
少なくとも、これまでのどのガンダムよりも多くの政治を彷彿とさせる要素が盛り込まれている作品ということはできると思うが、
それを何らかのイディオム、複数単語の連結で述べる術を知らないのがもどかしい。
前回、ガンダムヴァーチェを鹵獲して勝ち名乗りを上げるコーラサワーの図に、とてつもない違和感を感じたのだが、今回のやられっぷりに安心した。w
そしてコーラサワーはやられても、見ている者に悲壮感や不快感を与えない稀有なキャラクターであると思う。
これは、ガンダムのキャラの中でも珍しいタイプじゃなかろうか。
彼には、何らかの特殊な見せ場を与えることで、間違いなくガンダム史という記録と、ガンダマーの記憶の両方に残るキャラになりうるはず。
彼の慕うカティ・マネキン大佐が丁寧に解説してくれたが、新たなGNドライブの特性が、通信障害を点ではなく面で起こせるという特徴というのは興味深い。
この通信障害の有無によって敵を発見するという構図、
ジパング」の1945年のアメリカ海軍VS未来から漂流してきたイージス艦みらいという図式の方が先行して描いていたという事実に最近気付いた。
イージス艦にはアメリカ軍の通信を遮断する能力があるが、最初は原因がわからなかったアメリカ軍も、
どうやら日本軍の中に、そういう能力を持つ異物がいるらしいと気付けば、
あとは戦略・戦術次第で、未知の力にも現有戦力で対抗しうるという構図になっていくわけだ。
それもまた今回のガンダムとリンクする部分が見受けられるが、
一世代も二世代も技術レベルが上な未知の相手と現有戦力で戦うという図を描くときの、ある意味「お約束」といえる構造なのかもしれない。