機動戦士ガンダム00 第23話「世界を止めて」

ラストシーン、ハロの「ロックオン」の連呼でトレミーのスタッフがロックオンの死を知るという描写がなんともたまらない。
そのシーンだけがスコーンと胸のうちに入ってくる感じで、思わずぐっと詰まってしまう。
歴代のガンダムキャラの中には全く最期の見せ場もないまま退場したキャラも多く、
そういう意味ではロックオン・ストラトスは最大の華場を与えられての退場だったので、栄誉なキャラだったとも言える。
さて、そのロックオンだが事切れる前に「ライルが生きる未来」という意味合いのことをつぶやいている。
彼の回想では父と母、妹のエイミィは出てくるが、ではライルとは誰のことだろうか?ということになる。
ここで重要になるのが第9話冒頭の回想であるロックオンの家族の墓参りのシーンと、今回の過去の家族の食卓の回想である。
前者のシーンは、ロックオンが墓参りに訪れると既に花が供えられている。
それをみて、「一体誰が?もしかして、あの人が・・・?」とロックオンは思う。
そしてそれを見つめるロックオンとそっくりの人物。というものであり、彼は一体何者なのか?と、当時は疑問を抱くものであった。。
しかし、これは水島監督あるいは黒田洋介の仕組んだミスリードのための伏線だったと今になって判断すべきであろう。
つまり、ロックオンと思われた人物を見守り彼の家族に花を手向け、全ての事情を把握していた人物こそロックオンその人であり、
ロックオンだと思っていた人物こそ、ロックオンが守りたい、もっといい世界にしてやりたいと願った人物その人だったと考えられるべきなのである。
となると、恐らく彼こそがロックオンが最期に残した言葉の人物、ライルであろう。
彼らの容姿がそっくりな理由については語られていないのでその点については新情報が待たれるが、
後者の食卓シーンで、場にいる家族の数は4人だが、テーブルの上の食事の準備は5人分という家族が一人描かれていないという伏線が用意されている。
これは墓参りのシーンと同じく、ロックオンの視点で見た家族の風景と取れるかもしれない。
つまり、子供の頃のロックオンに見える人物もまたライルであり、ロックオン自身の視点なので本人の姿が描かれていないという形である。
この二つの点から、ロックオンとライルの元々の関係が家族だったのではないかという推測は成り立つが、今後何らかの形でより明確になるであろう。