リリカルマジカル4イベント参加レポ

元号が「涼香」に変わる頃、イベントでテンパる時空管理局を支援するため、時空管理局広報部涼香特別精鋭部隊が発足した。通称、「メディア涼香隊」。
メディア涼香隊に選ばれしなのは戦士たちは、身を粉にして時空管理局の支援のためにイベント参加を義務付けられる。
2008年5月17日。「臨時召集」とだけ書かれたいわゆる赤紙が手元に届いたのは、
魔法少女リリカルなのは」系オンリーイベント、「リリマルマジカル4」開催の迫った前日のことであった……。
ということで、「図書館戦争」風な始まり方をした今回のイベント。
前日に「チケットいる?」と聞かれれば「ほしい」と脊髄反射するのは致し方のないことだと思う。
しかし、脊髄反射して即座に気付くのは、あの膨大なダンボールに埋もれる「時空管理局」を手伝わねば、義理人情が成り立たんと感じるのも人の常である。
翌朝、いざスペースを訪れた私は、その光景に言葉を失うのであった……。
昨夜から翌朝未明にかけて、ミッドチルダにて広報活動を続けた涼香氏&ジンナイ氏は、敵を求める虚ろな目で、黙々とただひたすら作業を行っていた。
メディアケースを開く。ジャケットを詰める。メディアを詰める。これを500枚。
一体、いつの時代の労働環境の光景だろう。
そんなことを考えるヒマさえなく、涼香氏の永遠に終わらない「あと100枚だから!」の号令を頭の片隅に流し、黙々と鴨川氏のフェイトさんのストッキングを詰める。
奇跡的に、メディアを詰め終わった後に気付く。
はて、この横の列はなんだろうか?と。その列は、サークル受付の列であった。
受付時間、残り10分。涼香氏に尋ねる。「もちろん、受付は終わってるんですよね?」「何それ?美味しいの?」
一瞬、場が凍った。過ぎ去ったはずの冬を思わせる寒さがここのところ続いていた。
だが、その寒さもようやく和らぎ、本格的な夏に向けて季節が動き始めた際の「凍れる時空の秘宝」だった。
この人は、一体どれだけのレアスキルを所有しているんだろう?とこのときばかりは思った。
そこへメシア現る。コン氏である。コン氏は、涼香氏から受付書を受け取ると、延々とも思える長蛇の列の最後尾に、意気揚々と並びに行ったのである。漢が、いた。
会場内にアナウンスが流れる。開場予定の11時になったが、まだ開催できない状態だという。
しかし、溢れる参加者を収容するため、会場内部への誘導を始めるとのこと。
正式な開催時刻は、追って通達するとのことだ。
そこ、ここに溢れる参加者の数。そして、またしても形成される列。今度は一体、何の列か……。
「時空管理局」に控える方々の列だった。
「ぶわっ」という音が聞こえた。
あまりのことに、汗が噴出した音だ。
設営は、ギリギリの所で行ける状態になりつつある。
勝負は、開始30分だろう。涼香氏は告げた。
この瞬間、「STUDIOふあん」「鴨川屋」「軽トラ」の新刊のことは、頭から抹消した。うん、無理。
溢るる人を裁く。そういえば、涼香氏もジンナイ氏も、朝から何も食べてないと言っていた。
口にしたのは、ミッドチルダからこちらに向かう空港で出されたコーヒーだけだという。
二人のすぐそばで、死の匂いというものが迫りつつあると感じた。
辛うじて、ピークは過ぎた。自由行動の許可を得て、回る。
しかし、大半が完売していた。村矢女史もその一つだった。
村矢女史に、たまらず尋ねた。「今日は、何部発行だったんです?」
返答は、50部だった。
今年の冒頭のサンクリの感触から、これくらいだろうと予測を立てたとのことだった。
確かに、その予測は限りなく正しい。
ただし、それはなのはオンリーではないイベントという条件が付く。
なのはのみを求める猛者たちが集まるこの会場では、100いや200あってもいけたのではないか?
すると、今回の内容をオフセにするとのことだった。ここにもメシアはいたのだ。
「軽トラ」は、自由行動の冒頭に様子を見た。見る見る形成された列に、己の敗北を悟った。
あとで、見本誌だけ見ることができた。それで十分だった。
なのは系創作ねんどろいど神のぶ氏に、ねんどろいどなのは様を見せてもらった。会心の一作だった。なのは、はやてと来たので、今度はフェイトをつくるといい。
ぶ氏は苦笑していた。
フェイトの髪が、どうしても納得いくものに仕上がらない。匠のこだわりだった。
八尋氏の元へ向かった。相変わらず、本人と売り子がよく似ていると思った。
「ナンバーズは元気な子を選びました」との作為のコメントに、思わず噴いた。
梶川女史のもとへ向かうと、ましろ女史と空色女史のゴールデン3人娘が待ち構えていた。
空色女史は、本日の二人の爆弾行動観察を語って聞かせた。
相変わらず、梶川女史もましろ女史も、伝説クリエイターだと痛感した。
沢渡女史、タダ女史、ユウ女史のもとへ向かうと、挙式のポップが輝いていた。
お祝いのメッセージを残し、祝福を願う。
カズ女史のところはやや人が少なく、話しながらの休息を得て、本局へと帰還する。
鴨川氏のところに行き忘れたと気付くのは、帰還後のことだった。
鴨川氏とは、そのままイベントが終わるまでとうとう巡りあうことは叶わなかった。
本局を一時あとにする涼香氏を見送り、雑事をこなしながら本局の留守を守る。それだけで、時間はとくとくと過ぎ去っていった。
最中、本局の目の前を地上本部最高司令官であるレジアス・ゲイズ中将が颯爽と歩いていった。
すかさず、「レジアス中将に敬礼!」と敬礼を送った私に対して、中将はいぶし銀な、粋な返礼をしてみせた。
なんというレジアス。この日見たユーノ、アルフのインパクトもすごかったが、あれだけの身のこなしができる漢も早々いまい。
記録メディアに残せないのが、非常に惜しまれる英雄然としたレジアスであった。
15時終戦。戦いは終わったかに見えた。しかし、それは戦場を変えるインターバルなだけであって、私はすぐさま移動し次の戦いに備えなければならないのだった。