コードギアス 反逆のルルーシュR2 第7話「棄てられた仮面」

建前ではブリタニアに虐げられる者たちのためと言いながら、実質はナナリーのためにしか戦っていなかったルルーシュが、
実質的な部分で「みんなのため」(For All)を意識して戦線に戻るという、精神的に成長を遂げたエピソード。
1stシーズンとこれまでのルルーシュはヒールとしての立ち回りで、このままでは「DEATH NOTE」の夜神月のようなラストを迎えるのが順当だったのだが、
このヒールからヒーローへの転換と、スザクのヒーローからヒール要素の追加で、コードギアスの結末の方向性が変わってきた可能性が高い。
そして、今回とりあげられたメタンハイドレードは、石油資源に代わる可能性を持つエネルギー源としての側面を持つ資源で、
日本近海に、大量にその存在が確認されており、その規模は世界最大とも言われている。
仮に、世界の主力エネルギーがメタンに移行する展開を見せた場合、
日本がアラブの石油のように、メタンというエネルギー輸出国になるという夢のような可能性もゼロではないというのだ。
とはいえ、現状では採掘のコストと販売の利益のバランスが全く合わず、採算が取れないという部分が課題ではある。
では、採算が取れれば可能性はあるのかというと、やや難しい問題に今の地球は直面している。
いわゆる地球温暖化問題とこのメタンハイドレードは直結しているわけで、メタンは当然温室効果ガスの代表なのである。
採掘に細心の注意を払うのは当然にしても、事故や今回のようにメタンハイドレードを利用したテロが起これば、大量のメタンが海中を通じてばら撒かれることになる。
メタンハイドレードの恐ろしいところは、一つのメタンハイドレードの暴発が大量の温室効果ガスの増加をもたらし、
次のメタンハイドレードの暴発を誘発するリスクが大にして存在するということだ。
(現に、2億5000万年前の古生代中生代の境界の地球では、メタンハイドレードの暴発によると思われる大規模な環境激変で、生物の95%が絶滅したとされる。)
これを描いたのが韓国の漫画家Boichの「HOTEL」であり、メタンハイドレードの連続する暴発によって、
金星のような灼熱の惑星として変貌していく地球を描いたその作品は、たった一本の読みきりながら、読むものに深い感動を与えた傑作でもある。
その作品のオチがまた、完全なる絶望ではなく希望を描くことで、より完成されたエンターテイメントとしていたのが特徴的であった。