機動戦士ガンダム00 第3巻 ガンダム鹵獲作戦 木村暢 角川スニーカー文庫

刹那がトリニティへ反旗を翻した場面から、第1期のクライマックスまでを描いた一冊。
非常に読みやすく、かつアニメ版に対して忠実に書かれているので、ストーリーを把握するのにアニメ25話を見るのがきついという人は、文庫本3冊でストーリーを把握できることになる。
ただ、第2巻では沙慈とルイスの日常的なエピソードの大半が削られているので、そういった部分を見るのであればアニメ版を見るしかない。
そしてその日常パートがあることによって、今回のルイスの悲劇と沙慈の過酷な運命がより際立つことになる。
エピローグにはアニメ版のクライマックスに加えて若干のエピソードの追加がある。
1か所だけ、小説とアニメで整合性が取れていない個所があったのでチェック。
本作296ページにて、「スメラギは軍隊の訓練経験がなく、飽くまでその精神はアマチュアレベルである」とされている。
しかし、セカンドシーズンのアニメ版第6話では、カティ・マネキンと同じく、スメラギもAEUに所属していたことが明らかにされている。
これは、軍人ではなく民間人ながら軍属として働いていたと解釈はできるが、とはいえ実戦経験は積んでいたことが描かれている。
軍人としての訓練がなくとも、軍属で実戦経験があるならば、それはもはやアマチュアレベルを超越する経験と考えられるので、この部分だけが矛盾を起こしているのが気になった。
(いわゆる、万事において実戦に勝る訓練はないということ。)