知っておきたいお金の常識 人生を180度変えるお金のルール 神樹兵輔 日文新書

お金がたまらないと嘆いている人には、その一助となりうる一冊。
当たり前のことだが、アウトカム(支出)を削って、インカム(収入)を増やせば自然とお金というものはたまる。
だから世間では節約術というものが紹介されるわけなのだが、アウトカムの削り方にもルールがあって、それを守らないとお金はたまらないということに注意。
アウトカムを削る上で重要なのは、その絶対額であって、10円20円の節約は、必ずしも大きな貯蓄にはつながらない。
一日10円の節約に努力するより、一月3万円の節約ができる方法を考えねばならない。
もちろん、一月3万円削って、毎日10円削れるならそれはそれでよし。
そのような感じで、アウトカムの削り方、インカムの増やし方のレクチャーが書かれているので、本当にお金をためたいという意志のある人には一読をおすすめ。
ただ、個人的な懸念点を一つ挙げるとすれば、インカムゲイン(不動産収入などの不労所得)とキャピタルゲイン(いわゆる労働した際の収入など)の話で、
お金をためるカギはインカムゲインだよという話が出てくる。
インカムゲインが資産を増やすカギとなるのは事実なので、その点は同意するのだが、
著者はここまで紹介した方法で500万円ほどの貯蓄に成功したら、ワンルームマンションへの投資を紹介して勧めている。
現在の不動産への個人的な実感と合わない部分もあって、この点だけはそのまま実践することに疑問符を抱いたので、
本書を手に取った場合も、その点は自身で熟考した上での判断をされたい。
決して、不動産投資を全否定するわけではなく、その是非をしっかりと判断した上で、自身の覚悟を固めた上で挑むべきことだと考えるからだ。