大人のガンダム2010年版 日経エンタテインメント!編 日経BP社

大人のガンダム 2010年版 (日経BPムック)

大人のガンダム 2010年版 (日経BPムック)

毎年恒例のシリーズとなりつつある、ガンダムビジネス誌と言えば本書。
本書の構成は、「機動戦士ガンダムUC」のガイド、各ガンダム事業のビジネスリポート、ガンプラ特集という三部構成になっている。
だが、結論から言うと、最後のガンプラ特集はいかにもネタがなくてとってつけたような構成であり、しかも他社の雑誌で散々目にしている内容なので、今さら日経が取り組んだところで、その価値は低い。
そして悪いことに、そのガンプラ特集が雑誌の半分を占めているのも、とってつけた感を煽る。
個人的には、後半のガンプラ特集はいらないので、本書1冊1200円のところを半分の600円にしてくれた方がよほど良かった。
そして本書の目玉であるはずのガンダムビジネスリポートに関しても、今回は冴えがない。
というのも、好調だった各事業の一部分だけを切り取って紹介するのみに留まっており、しかも好調だったと言葉では表現していても実際の数字がどこにもないという始末。
本書のシリーズで一番期待しているところがこれでは、本書を買う意義さえなくなったに等しい。
機動戦士ガンダムUC」のガイドに関してはインタビューを含めて及第点といったところか。
ただ、ガンダムビジネスのリポートに関してフォローしておくとするならば、
そもそもバンダイナムコグループガンダム関連の2009年度の販売計画が昨年度よりも100億円以上低下させた弱気の数字で見積もったこともあって、
版元から数字関係の露出を差し控えるように依頼があったか、それとも日経そのものが版元への配慮をしたのではないかとも感じた。
そのため、一概に日経が悪いとも言い切れないのは頭に入れておく必要がある。
そして、ガンダムビジネスに限らず、バンダイナムコグループは2009年度末に300億円もの大赤字決算となることが先日の決算発表で示されたので、
ガンダムビジネスに限らず、バンダイナムコグループ全体が非常に厳しい冬の時代に突入したと見るべきだろう。
バンダイをV字回復させた現会長である高須氏が代表権を返上し、ナムコから上り詰めた現社長の石川氏のみが代表を務める体制となって、どの程度、いつ、どのように挽回できるのか、注目すべきだろう。