魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's

前作の劇場版と異なり、TV版でストーリーは贅肉をそぎ落とした必要最低限で成り立っていたものを、2時間半に(約6.5話分)凝縮するという難儀な構成であった。
脚本の都築真紀氏のインタビューを読んでも、単純に削ったのではただの総集編だと評価されるのがオチだという苦労が読み取れる。
それを踏まえて、再構成に次ぐ再構成の結果、今回の劇場版の構成に至るわけだが、まさに「魔法少女リリカルなのはA’s」における筋肉のみをうまくビルドアップしたものと感じた次第。
その再構成の仕方によるラストが実に興味深いところで、TV版ではなのはたちの大人になる過程での成長物語として、15歳という時間軸まで持っていったわけだが、
本作はリインフォースの意志を継ぐリインフォースIIが誕生する年をラストへと持ってきて再構成している。
それはつまり、本作ではなのはたちが11歳の時点で物語がクロージングされるということだ。
これが何を意味するのかを推測すると、ゲーム版では別の時間軸のなのはたちすなわち並行世界が描かれていることから、
この劇場版シリーズは劇中劇として進めるのではなく、劇場版もまた新たな並行世界の一つと解釈するのもおもしろい。
そうなると、次回作の3rdがあるとするならば、TV版の時間軸に準拠して「魔法少女リリカルなのはStrikerS」に飛ぶよりも、11歳〜19歳までの出来事であと1本か2本は劇場版として展開できるのではないだろうか?
そう思うと、劇場版「魔法少女リリカルなのはStrikerS」への伏線としての劇場版3rdが制作されるのも、ありうる選択肢の一つなのではないかと考えている。
むしろ、そうであってほしい。中学生編の3rdならば、映像としては初出になるのでやっておく意義は大いにあるのではないだろうか。