新機動戦記ガンダムW外伝 〜右手に鎌を左手に君を〜 皆川ゆか 講談社文庫

本書は約10年前にマガジンノベルスにて発行された同名タイトルの大幅加筆修正版。
機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」、「ガンダムオフィシャルズ」の皆川ゆかが描くガンダム作品。
彼女がガンダム作品を描くとMSを制御し、通常のMSでは得られない性能を発揮するシステムが絡んでくるような気がする。
今回はゼロシステム並びに「レミング」システムなわけだが、「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」においてはEXAMシステムが登場している。
これらのシステムはそれぞれの原作に登場したものであり、彼女がゼロから生み出したわけではない。
レミングはオリジナルであろうが。)
そして、おもしろいことにこのゼロシステムとEXAMシステムには相似する部分がある。
ゼロシステムとは、戦闘に関する膨大なデータをコンピュータ上において高速度にて処理し、起こりうる可能性を統合しパイロットに見せる。
すなわち「未来を見せる」とシステムである。
この未来とは、飽くまで戦闘に限ったものであり、単なる時間軸の延長線上を見せることはできないという。
対してEXAMシステムは擬似ニュータイプシステムというべきものであり、
ニュータイプの行動パターンを抽出し、コンピュータにて処理。
まるでパイロットがニュータイプになったかのような動作をMSにさせるというものである。
膨大なデータをコンピュータで処理し、戦闘行為を補助するという点では、両者は共通している。
物語の内容は若干パラレルということなのだが、むしろ今の時期に見てもすんなりと受け入れられる内容。
デュオ・マックスウェルを主人公とし、ゼロシステムとレミングシステム、そして5人のガンダムパイロットたちの戦いぶりを描く。