機動戦士ガンダムSEED DESTINY PHASE-39「天空のキラ」

なんだろう。今回はめさめさ満足感を覚えたのだが、そうでない人もいるというか、むしろそっちの方が多いのかもしれない。では、なんでこの満足感があるのかと考えたのだが・・・。マーチン・ダコスタ君、美味しすぎディアッカ・エルスマンの中の人と同じ声だってのに、ディアッカ以上の活躍ぶり。「機動戦士ガンダムSEED」の際の「いわゆるクライン派ってやつですよ!」はアスラン・ザラを救出した大金星の時の名言だが、それ以上の功績としては、これまではファンの間、というか私が便宜上使用していた「クライン派」という言葉をオフィシャルへと昇華したことにある。ここから外伝を通じてキラ・ヤマトたちの勢力を「三隻同盟」へと名称付けることにつながったわけで、彼の功績の大きさは計り知れない。
そして今回、ガイアガンダムに搭乗して出撃する艦長のアンドリュー・バルトフェルド隊長。やっぱりあれだ。艦長とか総帥とか、本来指揮を執らなきゃいけない人が座席を立って出撃しちゃダメなんだけど、これがまた無性にうれしいのはどうしてだろう。アンドリュー・バルトフェルドはファーストのランバ・ラルじゃなくって、シャア・アズナブルの要素をも含んでいたと考えるべきか。つまり、キラにとって超えるべき存在であると同時に、時の流れと情勢の変化に伴った意志を同じくするもの、すなわち「機動戦士Zガンダム」時代のクワトロ・バジーナとしての役割というわけだ。しかし、なんでまたガイアガンダムが登場したのか。かつて、第3期エンディングの際に、私は見間違えてムラサメ(アンドリュー・バルトフェルド専用機)のことをガイアガンダムとムラサメを足して2で割ったように見えるとは言ったけれども、まさかこれが制作側にインスピレーションを与えたとかうぬぼれてイイデスカ?(死
それから、停戦前の機体と停戦後の機体の性能差がどれほどのものか、イマイチはっきりしなかったのだけれども、それも今回でよくわかった。あのキラ・ヤマトがSEEDを発現させていなかったとは言え、ストライクガンダム(正確にはストライクルージュだけどさ)でブレイズザクウォーリアガナーザクウォーリアグフイグナイテッドにボコボコにされてるんだから、やはり両者の性能差は歴然であったわけだ。それでも、数機は撃墜しているんだから大したもんだが。もっとも、これはその後のストライクフリーダムガンダムの強さを演出するため(引いては次週に登場するアカツキの強さをわかりやすくするため)ということなんだろうけれども。補足しておくと、ストライクフリーダムガンダムに搭乗したキラ・ヤマトはこれまたSEEDを発現していない。つまり、ますますもってストライクフリーダムはバケモノ染みた活躍をするし、さらにはミーティアとの合体を考えると、もう手もつけられないことになると。シン・アスカ、量産されたデストロイガンダム相手にSEEDを発現させていたが、それとデスティニーガンダムとを組み合わせても今度の相手はきついんじゃないか。
今回もっとも笑ったのが、「カガリ、ルージュ貸して!」の一幕。これ、普通の姉弟が「お姉ちゃん、お姉ちゃんの自転車借りるよ!」と言ってる感覚と全く一緒なんだよね。で、お姉ちゃんから借りたルージュをボコボコにしちゃってあとで怒られると。(ぉ
そしてもっともうまいと感じたシーンは、アスラン・ザラがネオ・ロアノークのことをムウ・ラ・フラガと錯覚してそれに気付くシーン。これは正直うまかった。アスランの朦朧とする意識と、本来いるはずのない人の存在に気付いたときの衝撃。これをうまく表現していて、前回の最高潮ブッタ切り演出に比べるとはるかに良い。これくらいを維持してくれると見ていて安心、というか正直楽しくてありがたい。