Boichi作品集 HOTEL Boichi（ボウイチ） 講談社

Boichi 作品集 HOTEL (モーニング KC)

2年前にモーニングに掲載された傑作読み切り作品が、ついに単行本化！
当時は、その読み切りを掲載していた号をうっかり処分してしまって大変後悔したが、こうして単行本となって読めることに感激。
本作は、通常の単行本の約2倍の単価に設定されているが、内容はその価格以上のものであることは間違いない。
特に、表題ともなって「HOTEL」に関しては、現代版手塚治といえるほどの壮大なストーリーを描ける人が、存在したのかと衝撃を覚えた作品でもある。
作者のBoichi氏は韓国出身とのことなので、韓国の手塚治といってもいいのかもしれない。
マンガという文化が、国境を越えて楽しめるものに昇華されたということを思い知らされた作品でもある。
国に関係なく、おもしろいものはどんどん多くの人が見られるようにしようと取り組んできた講談社の努力の結実した作品だと思う。
各出版社も、同様に作品のグローバル化は進めているので、その中からこのような作品が出てくることは、実にいいことだと思う。
それは同時に、海外に負けてられないという国内の漫画家への刺激にもなれば、なおいい。
大手出版社でさえ、雑誌の売り上げの減少に歯止めがかからない状況の中、このような新しい試みに、一つの結果が出たことは喜ばしい。