機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画 第2巻 Ark Performance 角川書店

機動戦士ガンダム」の1年戦争の最後の1週間を、サイド3の一住民の視点から体験しているかのような描き方が特徴の本作。
設定考証、エピソードと人物のチョイス、作画レベルのクオリティは他作品と比較しても、群を抜いて高い。
映像の世紀」の「ギレン・ザビ暗殺」という観点からまとめたドラマを見ているような感覚をおぼえる。
Ark Performance氏はガンダムだけでも複数の作品の構想を練り公表しているが、まずは本作を完結させ、その実力を大いに示していただきたいと思う。
何気にこの第2巻で、これまで設定のブレが存在した「機動戦士ガンダム第08MS小隊」の最終決戦の時期がほぼ特定されている点も見逃せない。
そもそも、混乱の原因を招いたのはディアゴスティーニの「ガンダム・ファクトファイル」に11月下旬と記されたことだが、
作中でのミケルの回想では「最後の戦いから数日で戦争は終わった」とコメントしている点との矛盾を引き起こしていた。
本作では、ジオン公国歌劇場における貴族のボックス席の有無という形で、サハリン家がいつ滅亡にいたったのかについて触れている。
それによると12月22日をもってサハリン家は滅亡したことになるので、08小隊とアプサラスの決戦も同時期に起こったと考えるのが妥当だろう。